日本人は無意識に「言霊」思想に縛られている。それは、何かを言うとその通りになる、という思想。運動会の前に「雨が降れば良い」と言ったA君が本当に雨が降ると「お前があんな事いうから降った」と非難される。この思想を持つと「縁起でも無い事を言うな」となり危機管理が出来ない社会になりがち。
サヨクが言霊思想の弱点を突いて「戦争法案」と言っているのか、或いは無意識なのか分からないが、一般人の中には「戦争法案」と呼ばれているから「何と無く」「反対」という人もいるだろう。これは「何かを言うとその通りになる」という言霊思想に他ならない。防衛戦争を語るだけで戦争にはならない。
しかし無意識の言霊思想は危機管理に弱く「安全保障や防衛の話をするだけで中国を刺激する」などど思ってしまう。日本人が日本で話すだけの事が、中国を刺激するというより、中国自身に領土拡大の意思があるのか無いのかが重要だし、実際に尖閣諸島の領有を主張しているから防衛論議は必要だよね。
日本のリーダーはそんな原始的な言霊思想を無意識に持つ人々を導く必要があり、天皇陛下は基本的に良い事だけを言うことになる。総理も日本にとって決定的に悪い状況、例えば「もし尖閣諸島を中国が武力侵攻し日本に原油が入らなくなったら」を前提にした国民的な議論を問う手法は採りにくいのだ。
国に限らず日本の組織の危機管理の弱さはこの「何かを言うとその通りになる」という無意識の言霊思想に原因の一つがある。「この新製品が売れなかったらどうします?」「そんな事を言わずに売れるようにしろ」なんて会話になりがち。これでは危機管理にならない。危機管理は目標が未達の場合の対策だ。
「中国が尖閣諸島を侵略し日本を資源封鎖に近い状況に追い込もうと動いたらどうする?」
✖️「縁起でも無い事を言うな」では危機管理にならん。
無意識な言霊思想「何かを言うとその通りになるという考え方」を乗り越え、危機管理が出来るようになる、それが日本社会の成長だと思う。野党はついついこの無意識な言霊思想を利用して「言葉狩り」をしてしまう。心ある国民から見捨てられて行きます。言葉狩りに賛同するのは言霊思想に縛られて人々。
戦中の「大本営発表」もこの無意識な言霊思想に縛られていた部分もあったと思う。勿論、国民や軍の士気に影響するから悪い発表はしづらいという面はあったが、嘘の上塗りで現実把握と危機管理が出来なかったのではないか?戦争という最も厳しい現実に真摯に向き合えなければ勝利は無いだろう。
僕の一連の呟きを読んでいても何度も「戦争」や「侵略」という言葉が出てきてそれとなく不安に感じなかっただろうか?それこそが無意識の言霊思想「何かを言うとその通りになる」という日本人の持つ性質なのだ。それを乗り越えて、次世代の為に現実的な議論を進め日本と世界の平和と繁栄に貢献したい。