#野党とマスコミは敵の手先

日本は「言霊」と「革命」に支配されている。それを超える情けある言論を。 言霊に縛られた考え方と革命的な思想を使わず、情けのある言葉を発して行きます。 言霊:言った言葉は現実となる。  革命的な思想:現在の社会は間違ったものであり正しい考え方の人間で社会運営してゆくべきという思想。社会も永遠に近い時を経ている訳で全とっかえしたら大変な事です。 中国等に現出したこの世の地獄のような国家は酷いものです。

あなたは事件の真相を知らない‼️2020年9月28日に山口敬之氏に対する虚偽告訴と名誉毀損で書類送検された伊藤詩織容疑者に告発され刑事、検察審査会でも不起訴になった山口敬之氏の独占手記 #私は山口敬之氏を支持します https://hanada-plus.jp/articles/250

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伊藤詩織は山口敬之氏に対する「虚偽告訴」「名誉毀損」で2020年9月28日に書類送検(送致)されている。

 

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https://hanada-plus.jp/articles/250

 

 

 

 

「詩織」と名乗る女性の勇気ある告発!

 


2017年5月29日、「詩織」と名乗る女性が、東京・霞が関の司法記者クラブで、たくさんの記者とテレビカメラを前に、私から性的暴行の被害を受けたと主張した。

「性犯罪の被害者と主張する女性が顔を出して記者会見を行った」ということで、多くの新聞、テレビ、週刊誌が大きく扱った。この女性は自らの主張を詳細に説明するとともに、2016年7月の検察の不起訴処分について検察審査会に不服申請を行った、と述べた。

この問題は、この会見に先立つ5月中旬、なぜか『週刊新潮』が「安倍総理べったり記者の準強姦逮捕状」というセンセーショナルなタイトルで報じていた。

私は、週刊誌報道の段階から一貫して疑惑を全否定し続けた。しかしメディアの大半は、「勇気ある告発をした」として女性に寄り添い、私を犯罪者と断定するかのような報道が少なくなかった。

また、複数の野党議員が国会の内外で、女性側に寄り添い、事実認識を誤った質問を繰り返した。そしてなぜか、これら野党の主張に共鳴する集団も、ネット上で女性の主張を鵜みにして私を糾弾し、私や私の家族には「死ね」などという誹謗中傷のメールが殺到した。

事実と異なるあなたの主張によって私は名誉を著しく傷つけられ、また記者活動の中断を余儀なくされて、社会的経済的に大きなダメージを負いました。私は虚偽の訴えに強い憤りを感じました。

しかし4カ月あまりの審理の末、検察審査会は9月21日、「不起訴処分は妥当」との最終結論を出した。「犯罪行為があった」という女性の主張は退けられ、刑事事件としては完全に終結した。
 
この間、私は様々な判断から基本的に沈黙を守ってきた。しかし、女性が民事訴訟を提起したことで状況が変わった。これまでの沈黙の理由も含め、私は自らの見解を「当該女性への書簡」という形で申し述べることにした。

いままで私が、沈黙を守ってきた理由
詩織さん、
あなたは性犯罪被害者ではありません。そして、自分が性犯罪被害者でない可能性があるということを、あなたは知っています。

検察審査会は、一般国民から無作為に抽出された11人のメンバーによって構成されます。

そして、あなたの「犯罪行為があった」という主張と、私の「犯罪行為はなかった」という主張、さらに当局が収集した膨大な客観的な物証に基づく4カ月あまりの審査の結果、検察審査会は「不起訴処分は妥当であった」という結論に達しました。
 
これにより、刑事裁判によって私に犯罪者という汚名を着せようというあなたの企ては、最終的に失敗したわけです。

もしあなたが民事訴訟に打って出なければ、私はこれ以上の議論をしないつもりでいました。それは、これまで沈黙を守ってきた判断と同様に、傷ついているように見えるあなたがさらに傷つく危険性があると判断したからです。

しかし、あなたがあえて「不法行為があった」との主張を民事訴訟の場で繰り返すのであれば、無関係な他者を巻き込んで騒動を継続しようとするならば、私は自らの主張の中身を公表せざるを得ません。
 
それは「あなたの主張が事実と異なっている」ことを示すことを一義的な目的としますが、そのために「全く根拠がないことを事実だと思い込むあなた特有の傾向」まで指摘することになります。

残念ですが、あなたが選んだ道ですから、冷静かつ論理的に、私の主張の一部をここに示すこととします。
 
あなたの主張は、要約すれば「2015年4月3日の夜、抗拒不能な状態で意に反して性行為をされた」ということになります。そしてそれは、「飲食店のトイレから翌朝5時まで継続して意識を失っていた」というあなたの認識に立脚しています。
 
それは全く事実ではありません。また、あなたは自らの主張が正しいと立証することが絶対にできません。このことは、実は捜査段階ですでに明確に示されていました。

だからこそ検察官は不起訴処分という結論に達し、検察審査会もその判断が妥当という最終結論に至ったのです。私はこれから、その詳細を5つの事象に分けて説明します。

①「デートレイプドラッグ」
②「ブラックアウト」(アルコール性健忘)
③詩織氏特有の性質
④あとから作られた「魂の殺人」
⑤ワシントンでの仕事への強い執着

①「デートレイプドラッグ」――間違った主張のはじまり
あなたの「犯罪被害に遭った」という主張は、「私はお酒ですっぽり記憶を失くした経験はない」から、「山口氏にデートレイプドラッグを混入されたと思っている」という点からスタートしています。
 
私はそれを聞いて本当に驚きました。私はそもそも、デートレイプドラッグというもの自体を知らなかったからです。しかも、当夜の状況を見れば、私があなたのグラスにいかなる薬物も混入させることなどできなかったことは明白です。

2015年4月3日、我々は東京・恵比寿の2軒の店で飲食しました。1軒目は庶民的な串焼き店、2軒目はカウンターの寿司店。2軒とも、10数人も座ればいっぱいになる、小さいけれども明るいオープンカウンターの店で、客は店主と向き合って座ります。

1軒目の串焼き店はほぼ満席で、我々の両サイドにお客さんが座っていました。2軒目の寿司店もたくさんのお客さんで賑わっており、ほぼ満席でした。
 
当地で生まれ育った私にとって、両店は20年以上通う行きつけのお店です。あなたも記憶していると希望しますが、私はどちらの店でも、馴染みの店主やその奥さんと親しく談笑しました。
 
あの夜、あなたはいろいろな種類の酒を飲みましたね。1軒目の店に座ってほどなく、私はあなたの飲むペースが非常に早く、かなり強いお酒をぐいぐいと一気飲みのように飲むことに気が付きました。

少し心配になり、
「大丈夫ですか?」
と訊きました。するとあなたは、
「喉が渇いているので。お酒は強いほうだから大丈夫です」
と答え、その後もハイペースで飲み続けました。

私は少し驚きながらも、いい大人なのだからと、それ以上は警告をしませんでした。もちろん、私があなたに飲酒を強要したことは一切ないこともお認めになりますね?

結局、あなたは2軒の店でビール、サワー、ワイン、日本酒を飲んだ。そして2軒目の寿司店で、当夜1回目のトイレに立って、そこで酔いつぶれた。あなたは記憶を失ったのは2回目だったと主張しています。

しかし、あなたが寿司店でトイレの場所を私に訊いてから席を立ち、その後、戻ってこなかったので私はよく覚えているのです。酔いつぶれてしまった女性が、直前のトイレの回数を正確に覚えているというのも不思議な話です。

あえて2回目と主張しているのは、そう主張することで私に薬を入れる機会があったと主張するためではありませんか?
 
要するに、あの夜、あなたが飲んだ全てのアルコールのグラスは、ずっとあなたの目の前にあったのです。
 
百歩譲って、あなたがつぶれたのが2回目のトイレだとしても、ほぼ満席の客でごった返す明るいカウンター席の店で、顔馴染みの店主や従業員のいる前で、女性のグラスに薬品を入れることなどできるはずもありません。

「山口に違法ドラッグを飲まされた」
しかも驚くべきことに、あなたは薬を入れているところを見たわけでも、その後、目撃証言を得たわけでもなく、「私は酒に強いはずなのに、急に酔いが回ったから、山口に薬を盛られたに違いない」と言うのです。

失礼千万な話です。
 
あなたの言う「デートレイプドラッグ」は、その後、調べてみたところ、町の薬局で手に入るものではなく、ほとんどがインターネットを通じた取引だということですね。

私は所有していたすべてのパソコン、携帯電話、タブレットなど、ありとあらゆる物を警察に提供しましたが、違法薬物の購入や使用に繋がる物証は一切ありませんでした。
 
もし私が違法薬物を入手したり使用したりしたのであれば、日本の優秀な警察機構は何らかの手掛かりを見つけたはずですが、あなたの主張を聞いたにもかかわらず、そんなものはなかった。

串焼き店、寿司店でも捜査員が証言を集めに回ったことが確認されていますが、そこでも薬物混入を示す証言は一切なかったのです。

当たり前です。繰り返しますが、私はあなたの言う「デートレイプドラッグ」などというものは、聞いたことも見たこともないのです。
 
あなたはただ、「自分の酒量を過信して飲みすぎた」だけなのです。それはよくあることで、そのこと自体を強く責める気はしません。

しかし恐るべきは、その後のあなたの見解です。自分の飲みすぎを認めないばかりか、何の証拠もなく、「山口に違法ドラッグを飲まされた」という前提で主張のすべてを組み立てている。
 
記者会見で、デートレイプドラッグを盛られたという主張をした際に、あなたは「他に思い当たる節もある」と述べました。それは何を指しますか? 明確に示して下さい。

そんなものはあるはずがない。あなたの勘違いと思い込みなのだから。ありもしない証拠や傍証を、あたかも存在するかのように記者会見の場で匂わせるのは、卑怯なやり方です。

②ブラックアウト(アルコール性健忘)
繰り返しますが、あなたはいかなる薬物も混入されていません。ただ、飲みすぎただけです。

その一方で、あなたは記者会見で「私は酒に強く、泥酔したり酔いつぶれたりしたことはない」と主張しました。ということは、あのように泥酔してしまったのは人生で初めての経験ということになりますね。
 
それならば、あなたは酒の過剰摂取の影響下で、自分がどう行動するか、そして、その行動をどこまで記憶しているか、経験がないから類推できない。これが、今回の問題の核心部分です。
 
寿司屋でトイレに入ったあなたは、長い間出てこなかった。心配になった店の方に促されて、ようやく出てきたあなたは、見るからに酔っぱらっていました。驚いた私は、やむなく急いで会計を済ませました。
 
店を出たのは22時半から23時頃だったと思います。店を出る段階で、あなたは足元が覚束なかった。そして、店の入り口左手にあった荷物置きの棚から、あなたは自分のショルダーバッグに加えて、他のお客さんのカバンも持って出てしまったことが、あとになってわかっています。

誰が見ても、一人で電車に乗って帰すことは困難な状態でした。
 
しかし、私は当時、TBS報道局のワシントン支局長を務めていたので、ワシントン時間の午前中、すなわち日本時間の23時過ぎまでに済ませなければならない作業(メール確認やパソコンでの調査・連絡)を複数抱えていました。

神奈川県に住んでいるあなたを送っていったら作業が時間内に終わらない。しかし、あなたは自力では帰れそうにない。私はやむなく、当時逗留していたホテルで休んで酔いを醒ましてもらい、自分の作業を終えてから送って帰るしかないと判断しました。

「意識のない状態で部屋に連れ込まれた」
あなたはタクシー運転手の証言を元に、「『駅で降ろしてください』と言ったのにホテルに連れて行かれた。だからその段階で犯意があったのだ」というストーリーを作ろうとしているが、とんでもないことです。

そもそもあなたは、「寿司店のトイレ以降、記憶がない」と主張しています。あなたが相当程度酔っていたことは、あなたも認めているのです。

実際、あなたはそのタクシーのなかで嘔吐したではありませんか。嘔吐し、朦朧とした泥酔者が「駅で降ろしてください」と言ったからといって、本当に駅に放置すべきだと思いますか?
 
私が宿泊していた白金高輪シェラトン都ホテルに到着すると、私は泥酔しているあなたがタクシーから降りるのを手伝いました。あなたはタクシーのなかで嘔吐したこともあって、傍目には少し回復したように見えました。

そして、千鳥足ではありますが、自分の足で歩きました。
 
このホテルでの移動について、あなたは「意識のない状態で部屋に連れ込まれた」と主張していますが、それはあなたが何と言おうと物理的に全く不可能です。ホテルの1階ロビーは、車寄せからエレベーターホールまで100メートルほどあります。

もしあなたの主張どおり、全く意識がない状態だったとしたら、私はあなたを抱えて、どうやって100メートルも移動したというのでしょうか? 

衆人環視のなか、正体不明の大人の女性を荷物のように背負ったり、引きずって歩いたりしたとでもいうのでしょうか?

あのホテルは、車寄せから入り口を入ると、まずドアマンや荷物係が待機しており、正面には24時まで営業している大規模なラウンジ、そして右手に曲がるとホテルフロントがあり、レセプションの人やコンシェルジェ、案内係がズラリと並んでいます。
意識を失っている、あるいは意に反して無理矢理移動させられている女性がいたとして、一流ホテルの訓練された接客のプロたち全員が、それを見逃すということがありうるでしょうか?
 
しかも、4月3日は金曜日で、ロビー階では多くの宿泊客やレストランの利用客が往来していました。あなたの主張がいかにありえないかは、金曜日の夜11時に、都ホテルに行ってみればすぐにわかります。
 
実際のあなたは、2つのカバンを自分で持って、自分の足でヨタヨタと歩いたのです。もちろん、千鳥足ではありましたから、私はあなたが転ばないように注意はしましたが、移動を無理強いしたり、あるいは担いだり引きずったりは一切していません。

防犯カメラに映っているのも、「意識のないあなた」ではなく、「酔っぱらっているけれども何とか自力で歩けるあなた」です。
 
要するにあなたは、犯罪行為が行われたという主張の根幹をなす「意識のない状態が朝まで続いた」という認識の一環として、「ホテル到着時も意識がなかった」との立場をとっていますが、あなたの主張は物理的にありえないのです。
 
私の部屋がある階でエレベーターを降りたあとも、あなたは自分の足で普通に歩きました。私が部屋の鍵を開けると、あなたは私を押しのけて先に部屋のなかに入り、小走りに窓際に向かいました。そして、いきなり嘔吐しました。


あなたは、いびきをかいて、寝ていた
私は翌朝、アメリカに帰ることになっていたので、パッキング前の荷物を窓際にまとめて置いていましたが、その上にも吐瀉物が飛び散りました。

自分の荷物を汚されて少なからず驚いていると、あなたは今度は踵を返して、無言でトイレに駆け込みました。あなたの吐瀉物をタオルで拭いておりますと、トイレのなかから嘔吐する大きな音が2度しました。
 
正直に言って、本当に迷惑でした。やらなきゃならない仕事を抱えて、翌日の移動のためにパッキングもしなければならないのに、荷物をゲロまみれにされたうえにトイレを占領されている。

しかし、早く済ませなければならない作業が複数あったので、私はやむなくパソコンに向かいました。仕事が一段落してもあなたがトイレから出てこないので、私は心配になってドアをノックしました。

すると、なかからかすかな声が聞こえたのでドアノブを回すと、ドアは施錠されていなかったため、ドアを開けてなかを見ると、あなたは尻もちをついて、トイレとバスタブの間に座り込んでいました。ブラウスとスラックスは、大量の吐瀉物で汚れていました。
 
私は吐瀉物が苦手なので自分も吐きそうになりましたが、このまま放置すると喉に物を詰まらせて事故を起こす可能性もあったので、やむなくなかに入って吐瀉物をタオルで拭い、あなたを起こそうと努力しました。

あなたは謝罪ともうめき声ともつかない声を上げながら、なんとか自ら起き上がりました。そしてゲロまみれのブラウスを脱ぎ、部屋に戻るとベッドに倒れ込み、そのまま寝てしまったのです。
 
私はあなたのあまりの痴態に怒り呆れましたが、翌日着るものがないとかわいそうだと思い、トイレに放置されたあなたのブラウスのゲロを拭って浴室に干しました。

また、バスルームの床面もゲロまみれだったので、シャワーで洗い流すなどして部屋に戻ると、あなたはいびきをかいて寝ていました。
 
部屋はツインで、シングルベッドが2つありました。前日まで私が寝ていたベッドはあなたに占領され、もう1つのベッドは、ベッドメイキングを壊さないままパッキング前の衣類などを並べていました。

私が全ての仕事を終えても、あなたは相変わらずいびきをかいて眠りこけていたので、私は荷物置き場にしていたベッドの、わずかに空いたスペースに身を横たえました。

下着姿でミネラルウォーターをごくごく。そして――
部屋に入ってどのくらい時間が経ったのか。
 
私がまどろんでいると、あなたが突然起き出して、トイレに行きました。ほどなくトイレが流れる音がして、下着姿のあなたが戻ってきました。

「喉が渇いたのですが、飲み物をもらってもいいですか?」と言って、あなたがホテルの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、自分でキャップをひねって開けて直接飲みました。

下着姿であることを全く気にしていないのには少し驚きましたが、外国生活が長いせいかなと類推したのを覚えています。
 
そして、ペットボトルの水を何度かごくごくと飲んだあなたは、私が横たわっているベッドに近寄ってきて、ペットボトルをベッドサイドのテーブルに置くと、急に床に跪いて、部屋中に吐き散らかしたことについて謝り始めました。

面食らった私は、ひとまずいままであなたが寝ていたベッドに戻るよう促しました。
 
ここから先、何が起きたかは、敢えて触れないこととします。あなたの行動や態度を詳述することは、あなたを傷つけることになるからです。

はっきり言えるのは、私はあの日、あなたに薬物を飲ませたり、いやがるあなたを部屋に連れ込んだりしなかったのと同様に、部屋のなかでもあなたの意思に反する行動は一切していないということです。

もし、あなたが覚えていることがあり、自分で差し支えないと考えるなら遠慮なく言って下さい。

誰も証明できない「密室」での出来事
もうひとつ強調したいのは、トイレから戻ったあとのあなたは、立ち居振る舞いもしゃべり方も正常で、すっかり酔いから醒めたように見えたということです。

それまでに複数回にわたって大量に嘔吐したあと熟睡したので、それで楽になったのかなと思いました。その後しばらくして、あなたはまた眠りに落ちました。

要するに、あなたは「朝まで意識がなかった」のでは決してなく、未明の時間に自ら起き、大人の女性として行動し、そしてまた眠ったのです。
 
あなたはこのことを覚えていないのかもしれない。あるいは覚えていたが忘れてしまったのかもしれない。あるいは覚えているのに黙っているのかもしれない。

それは私にはわからない。密室での出来事ですから、誰も証言してくれる人はいない。
 
しかし、1つだけ客観的な事実を示すことができます。私は一時帰国の期間中、1度もホテルの冷蔵庫の飲み物を消費していません。室内のミニバーの飲料はどれも高価で、好みのものもなかったので、飲み物はコンビニで買って持ち込んでいました。

だから、7日間の滞在で、唯一の冷蔵庫の出費こそが、あなたが飲んだミネラルウォーターだったのです。
 
このことは、ホテルの領収書によって簡単に証明できます。あなたは、未明に自分で起きて、トイレに行ったあと、自ら冷蔵庫を開け、自分の力でペットボトルのふたを開け、飲んだ。

これはあなたの「朝まで全く意識がなかった」という主張とは完全に矛盾します。
 
その後、あなたが被害届を出して、私は警察の聴取に全面的に協力しました。そのなかで、深夜のあなたの覚醒と再睡眠について何度も質問されました。

ペットボトルのことも含め、私は覚えていることを繰り返し詳細に話しました。おそらく捜査員は私から聞いたことを踏まえてあなたに確認し、その答えを踏まえてまた私に聞き直すということを繰り返したのでしょう。

何回か聴取が繰り返されたあと、捜査員は私にこう言いました。

「あなたの供述は何度聞いても詳細で矛盾がない。他方、詩織さんは朝まで記憶がなかったと言っている。双方の主張は一見矛盾しているようだが、2人ともウソをついていない可能性が1つある。それは『ブラックアウト』だ」
 
英語でブラックアウトと言えば、真っ先に浮かぶのは停電です。しかし、捜査員の言うブラックアウトは違いました。アルコールの影響で、記憶の一部または全部が欠落してしまう現象のことをいうらしい。

たしかに、酒を飲みすぎてどうやって家に帰ったか覚えていないという話は珍しいものではありません。自力で歩き、自分でカギを開け、部屋まで辿り着いて寝たが、ただその経過の記憶だけがすっぽりと抜け落ちている。
 
それでも、最初に捜査員にブラックアウトの可能性を指摘された時には、私はにわかには信じられませんでした。

というのは、トイレから戻って再び眠るまでのあなたの行動は所作も会話も全く正常で、のちに記憶を失うような泥酔した状態とは到底思えなかったからです。そのことも捜査員に指摘しました。
 
しかし、医学的に「アルコール性健忘」といわれるこの現象は、アルコールの過剰摂取によって、脳内で記憶を司る「海馬」という組織の機能だけが低下することによって起きるため、傍から見ると当人の行動は、まったく酔っていないように見えるといいます。

普通に歩き、しゃべり、飲食をしているが、その状況を記憶として脳に保存することだけができない。もし当夜、そういう状況にあったのであれば、「朝まで記憶がなかった」とあなたが主張したとしても、辻褄が合うのです。

(つづく)

 

(初出:月刊『Hanada』2017年12月号)
【独占手記】私を訴えた伊藤詩織さんへ「後編」

 

③詩織氏特有の性質――「盗撮されたに違いない」
捜査員が示した可能性は、簡単に言えば「飲みすぎて記憶が飛んでしまった」という、酒飲みにとってはよくあるありふれた話です。

しかし、しかしです。私と同じく、あなたも捜査員からブラックアウトの可能性について説明を受けたはずだ。そして、あなたは記憶がないからこそ、「ブラックアウトではなかった」と断言することは絶対にできない。
 
しかも、あの夜は人生で初めて自分の酒量の限度を超えて飲んでしまったのだから、なおさらです。

それまでの人生でアルコール性健忘の経験がなかったからといって、その現象が自分には絶対に起こりえないと断定するのは、少し独り善がりが過ぎませんか? 

そして、「自分が飲みすぎたはずはない」という無理な論理を補強するために、根拠もないのに「デートレイプドラッグ」などという違法薬物の話を思いついたのではありませんか?
 
そこで、私が指摘せざるを得ないのが、あなた特有の思考傾向です。

たとえば、あなたは朝起きてテーブルの上に私のパソコンがあるのを見て、咄嗟に「盗撮されたに違いない」と思ったと述べていますね。そしてそれが、警察が強制捜査に着手するきっかけになったとも言っています。
 
私のような仕事をしている人間は、例外なくパソコンを使っている。部屋にパソコンがあるからといって、自分が盗撮されたと思い込むというのは、あまり普通の思考回路ではない。

実際、そのパソコンは警察に提出され、盗撮映像など一切出てきませんでした。当たり前です。私は盗撮などしていないからです。
 
それから、あなたは「独自調査の結果、得られた新しい証拠を検察審査会に提出した」とも述べました。そこで例示したのがタクシー運転手の証言でした。しかし警察は、そのタクシー運転手から早い段階で聴取を行っていました。

その証言に基づいて、私は捜査員から何度も質問されている。そのことはあなたも知っている。その証言も踏まえた捜査が行われ、検察官は不起訴という判断を下したのです。

「自分は酒に強いから薬物を盛られたに違いない」

「ブラックアウトは、自分には起こり得ない」

「パソコンがあるなら盗撮されたに違いない」

「自分は初めて聞いたから、新証拠だ」
 
あなたの思考パターンには、まず強い自意識があって、自分を被害者、私を悪意ある犯罪者と思い込むことによって、全ての事象をそのストーリーにはめ込もうとしているのではないか。

その結果、冷静な判断ができなくなり、結果として事実ではないことや根拠のないことを、自ら信じ込んでしまっているのではないか。そう考えざるを得ないのです。

④あとから作られた「魂の殺人」――「レイプは魂の殺人です」
ここまでは、「~に違いない」というあなた特有の思考パターンから、私を犯罪者と思い込むに至った流れを類推しました。
 
しかしこれから述べることは、アルコールという外的要因によって起きた、いわば不可抗力的なものではありません。事後、あなたの心の内部で時間の経過とともに深まっていった、不可解な「後付けの被害者意識」についてです。
 
あなたは記者会見で、「私はレイプされました」 「内側から殺されました」 「レイプは魂の殺人です」と、非常にエモーショナルに訴えた。

しかし、その激しい怒りと憎悪は、最初から一貫したものではなかったことを証明します。それは、事後のあなたの行動と発言を精査することによって、はっきりと浮かび上がります。
 
あなたは「給水タンクに寄りかかってから朝まで意識がなかった」という前提の下で、自分がレイプされたと朝の段階で確信し、口論の末に逃げるように部屋を出たと主張している。

しかし、あなたの翌朝の行動は、明らかにあなたの主張と矛盾しています。まずは翌朝のあなたの様子について、私の覚えている限り記述します。
 
1度未明に起きたあと、再び眠りに落ちたあなたは、朝になってもう1度起きた。そして、私とごく普通の会話をし、ごく普通にホテルの部屋を出ていった。途中、1回だけ英語で少し大きな声を出しました。

「I fucked without contraceptives.」(避妊しないでやっちゃったわ)
 
急に英語で大声を出し、しかもfucked というあまり上品でない単語を使ったので、私は違和感を覚えましたが、あなたがすぐに日本語に戻ったので、特に気にしませんでした。

日本語の会話は、通常の音量で平穏な口調で、その日の予定や今後の連絡の取り方など、差し障りのない雑談でした。「口論の末逃げ帰った」というあなたの主張は、事実とかけ離れています。

なぜ「レイプ犯」のTシャツを着て帰ったのか?
しかし、もしあなたが朝の段階で私にレイプされたと思っていたのであれば、絶対にしないはずの行動をし、絶対にしたはずの行動をしていない。

まず、絶対にしないはずの行動について説明しましょう。
 
朝起きてトイレから戻ってきたあなたは、浴室に干されていたブラウスを手に、
「ブラウスが少し生乾きなんだけど、Tシャツみたいなものをお借りできませんか」
 
あなたのブラウスは化繊の薄手のもので、朝までに相当程度乾いていたため、濡れて着用できない状況ではないように見えました。

しかし、私としては別に断る理由もなかったので、パッキング途中のスーツケースを指し、
「そのなかの、好きなものを選んで着ていっていいですよ」
と言いましたね。

あなたはスーツケースから、私のTシャツのうちの1つを選び、その場で素肌に身に着けました。覚えていないとは言わせません。

レイプの被害に遭ったと思っている女性が、まさにレイプされた翌朝、レイプ犯のTシャツを地肌に進んで身に着けるようなことがあるのでしょうか?
 
私はこのTシャツの末についても、捜査員に伝えました。そして、できれば返してほしいとお願いした。

しかし捜査員は、
「いまはまだ捜査の途中だから、物品の返却についてはもう少しあとで考えましょう」
と言われました。

結局、私はそのTシャツを未だに返してもらっていません。そのTシャツの存在を認めると、自分の主張の辻褄が合わなくなるからですか?

あなたは記者会見で、自分が受けたと主張する「被害」について、「レイプという行為は私を内側から殺しました。レイプは魂の殺人です」とまで表現しました。

そこまで言うのであれば、いまのあなたは、私のTシャツを素肌に身に着けることなど、おぞましくて決してできないでしょう。
 
それならば、「あの朝のあなた」と「いまのあなた」の感情は、全く種類が異なっていることは明らかです。すなわち、あなたの強い被害者意識は最初からあったのではなく、あとから時間をかけて醸成されたものだということになります。


「レイプ犯」に送った「お疲れ様です」メールの謎
そしてもう1つ。「薬物を盛られてレイプの被害に遭った」と思っている人ならば、絶対にしたはずの行動をあなたはしなかった。それは病院での検査内容にかかわることです。

あなたは、ホテルを出て数時間後に婦人科に行ったと証言しているが、そこでどんな検査を受けましたか? 

妊娠していないかどうかだけを検査し、ピルをもらったと言っている。ホテルの部屋での、英語の独り言の内容と符合します。
 
病院やその後、連絡したNGOの対応に不満を述べてはいるが、どう言い訳しても、あなたは結果として血液検査を受けなかった。

あの段階では、「デートレイプドラッグを飲まされてレイプされた」とは思っていなかったからではありませんか?
 
もしあなたが、実は血液検査を受け、その結果を持っているなら、ぜひそれを提出してほしい。「デートレイプドラッグ」の成分は出ていましたか? 

出るはずがない。そんなものは誰も使っていないからです。検査結果さえあれば、「薬を盛られて抗拒不能な状態にされた」というあなたの主張は根底から崩れることになります。
 
結局のところ、あなたがいま「薬を盛られてレイプされた」と思い込んでいるのであれば、それはあの朝からそう思っていたのではなく、あとから時間をかけて自ら思い込んでしまったということになります。違いますか?
 
それを示すもう1つの物証がある。それは、私のTシャツを着て部屋を出ていった詩織氏を見送ったあと、ワシントン到着後の4月6日夜に受け取ったあなたからのメールです。

「山口さん、お疲れ様です。無事ワシントンへ戻られましたでしょうか? VISAのことについてどのような対応を検討していただいているのか案を教えていただけると幸いです。 伊藤」

これが、被害者がレイプ犯に送る文面でしょうか? 私をレイプ犯と思い込んでいるのであれば、最初のメールで一切そのことに言及しなかったのはなぜですか? 

事案から2年以上過ぎてから記者会見まで開いて、「薬を盛られてレイプされた」と訴えたあなたとは、当時は認識が違っていたからではありませんか?
 
そして、このメールに関してもう1つ、あなたの悪意を指摘しなければならない。あなたはこれまでに、週刊誌などに対して、私とのメールのやり取りを部分的に公表していますが、このメールはあえて伏せている。

それはなぜですか? 都合が悪いと思っているからですか? 

それならば、私を犯罪者に仕立てるという目的において「都合のいいメール」と「都合の悪いメール」があるということになる。

全てのメールが時系列で明らかになれば、私が何を言いたいかわかってもらえるでしょう。私の主張に矛盾があるというなら、ぜひ指摘してほしい。
 
なぜ「犯罪が行われなかった可能性」を否定できないのに、あなたの心中では長い時間をかけて断定的な被害者感情と私への憎悪が醸成されたのか。そして、都合のいい事実だけを提示するという操作まで行って、私を犯罪者に仕立て上げようとしたのか。

本当のところは、あなたにしかわからないことだ。

今後の民事訴訟のなかで明らかにされていくことを期待します。しかし、ここまでわかっている事実関係から、1つの可能性を類推することはできます。

⑤ワシントンでの仕事への強い執着
私があなたに初めて会った時、あなたはキャバクラ嬢でしたね。

2013年9月、国連総会の取材でニューヨークに滞在していた時に、知人の記者に連れられて行った日本人相手のキャバクラで、キャバクラ嬢として私の隣に座ったのがあなたでした。

私がTBSのワシントン支局長であることを知ると、あなたは途端に、「ジャーナリズムの仕事がしたい」と非常に熱心に訴えました。そして、ニューヨークの日本のテレビ局を紹介してほしいと何度も繰り返しました。その執拗な要求は、少したじろぐほどだったのをよく覚えています。

その後も、あなたは自分の願望を実現するため、私に繰り返しメールを送り付けています。そのうちの一部を抜粋します。

「(前略)ぜひTBSのニューヨーク支局にてインターンをさせていただきたく連絡差し上げました。ご検討、お力添えしていただけないでしょうか? よろしくお願いします」

「たびたびのメールすみません。もしインターン採用の可能性があるのであれば、できたら今週中に面接していただけたら幸いです」
 
インターン希望者が面接日時を指定してくる異常性にたじろぎ、当時TBSニューヨーク支局ではインターンを募集していないという事実を伝えました。その後も、TBS以外の日本のテレビ局を紹介してほしいという、あなたの要請は続きました。
 
結局、あなたは私の紹介で日本テレビのニューヨーク支局でインターンをすることが決まりましたね。採用が決まった時、あなたは下記のメールを送ってきました。

「今日本テレビの〇〇さんからお電話いただいて採用との報告をいただきました!! 本当に本当にありがとうございます! 全力でインターン頑張ります。(中略)このご恩は一生忘れません!! ありがとうございます!」

一連のメールは常にあなたから来て、私はそれに返信する形でしたね。そしてキャバクラで出会ったあと、あなたに会ったのは、昼間に某支局長を紹介した1回だけです。

それ以外、私はあなたを1度も食事に誘ったり、誘惑したりしたことがないことは認めますね?

「本気です!」あなたから届いたエモーショナルメール
その後も私からあなたに連絡を取ることはありませんでしたが、14年9月になって、またあなたから連絡がきました。

「(前略)現在絶賛就活中なのですが、もしも現在(TBSワシントン支局で)空いているポジションなどがあったら教えていただきたいです。宜しくお願いします! 東京にお戻りの際はぜひお会い出来たらうれしいです」

「早速のご返信ありがとうございます! 本気です! プロデューサーのポジションに応募させていただきたいです。ぜひとも検討していただけませんでしょうか? よろしくお願いします!」

「どんな形であれ、ジャーナリズムのお仕事に携われるなら雇用形態は問いません。どうぞよろしくお願いします!」
 
また、!マークのたくさんついたメールが何度も送られてきました。あなたの強い要望がきっかけとなって、問題となった恵比寿での会食がセットされました。

あなたが元来、エモーショナルなメールを打つタイプだとしても、一連のメールを見ればワシントンで仕事をしたいという熱情は並大抵ではなかったことは明らかですね。
 
一方、ワシントン支局長を務めていた私があの時、一時帰国したのは、前の月に『週刊文春』に寄稿した「韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!」について、会社の賞罰委員会から呼び出されたからでした。
 
この寄稿は、私がアメリカの国立公文書館で発見した公文書に関するものでした。

ベトナム戦争当時、韓国軍兵士用の慰安施設が当時のサイゴン市内にあったことを示す公文書を見つけたので、私は事実関係の検証や関係者へのインタビューを重ね、TBSのニュース番組で放送するために、数カ月かけて取材をまとめ上げました。

「性暴力の被害を受けた」――解任されると態度が一変!
しかし、TBS報道局幹部はいろいろな理由をつけてなかなか放送しない。数カ月にわたる交渉の末、2015年2月、TBSは納得できる理由も示さないまま、「放送しない」との最終決定を伝えてきました。

私としては、伝えるべきニュースを明確な理由も示さずに封印しようとする会社の決定に承服できず、やむなく『週刊文春』に寄稿という形で取材成果を発表しました。
 
これがTBSの内規に触れるということで、会社の査問を受けるために一時帰国を命じられていたのです。この経緯と、私が何らかの処分を受ける可能性があるということは、あなたにも伝えていましたね。
 
私がワシントンに戻ってあなたからビザに関する問い合わせを受けたあと、4月中旬頃から私に厳しい処分が出そうだという噂が広まり始め、その噂どおり、結局、私はTBSワシントン支局長を解任され、日本への帰国を命じられた。

そして、TBSワシントン支局でインターンをしたいあなたの希望を叶えることができなくなりました。
 
あなたが「私から性暴力の被害を受けた」と言い出したのも、なぜかその時期です。

「意識のない私をホテルに連れ込み云々」といったメールを初めて受信したのが、4月18日のことです。それ以降、あなたからは大量の敵対的な攻撃、罵倒、返信が遅いという非難など、メールのニュアンスが一変しました。

最初の穏便なメールを送ってから2週間の間に、あなたに何があったのでしょうか?
 
その後、私がTBSを辞め、本を出版し、テレビに出演するようになったことについて、あなたは記者会見での配布資料にこう書いています。

「山口氏が権力側で大きな声を発信し続けている姿を見たときには、胸が締め付けられました」

「権力側で大きな声を発信し続けている」との断定は、あなたがジャーナリストを名乗るのであれば、内容を説明する義務を負うでしょう。
 
不起訴処分が出てから10カ月も放置した末に、私がメディアに露出するようになってから改めて記者会見を行い、検察審査会に不服申請をしたのはなぜか。

私には、あなたの強い自意識が、自分が被害者であるという思い込みを生み育て、その後に起きた落胆や怒りが私への憎悪を極大化し、いまでは自分の記憶まで歪めてしまっているのではないか。

そう思えてならないのです。

野党政治家たちがなぜ、あなたの味方になったのか?
最後に、どうしても指摘しなければならないことがあります。あなたは記者会見で、
「上からの大きなパワーを感じました」
という抽象的な表現で、政治の介入について匂わせました。

しかし、実際に政治家を味方につけて利用していたのはあなたではありませんか?
 
昨年7月に検察の不起訴処分が決まったあとも、あなたとあなたの協力者が「私に性的暴行を受けた」と吹聴し、週刊誌やテレビ局にネタとして売り歩いているという情報は、私の耳にも入っていました。

しかし、あなたの主張がもともと事実ではないので、私は気にしていませんでした。
 
しかし、5月中旬に『週刊新潮』が記事を載せた頃から、なぜか複数の野党政治家があなたの側に立った発信を始めるようになりました。

まず、民進党参議院議員有田芳生氏が、あなたの会見の3日前の5月26日、
「来週、この事件をめぐって新たな動きがあるようです」
と会見を予告するようなツイートをし、それに対してあなたは「いいね」を押しています。

なぜ、野党政治家があなたの会見の予定を事前に知っていたのか。あなたが伝えたのですか? 

政治とは縁のなかったあなたは、いつからこうした政治家と交友を持つようになったのでしょうか?
 
有田氏はその後何度も、あなたの主張を検証もしないまますべて事実とし、私を犯罪者扱いするツイートやリツイートを繰り返しました。
 
同じ民進党衆議院議員だった井出庸生氏や柚木道義氏も、国会の委員会質疑であなたの記者会見について触れました。そして柚木氏は私の著書を掲げ、私を犯罪者と断定したうえで質問を繰り返しました。
 
そして不思議なことに、あなたの記者会見と呼応した野党政治家の動きと全く同じタイミングで、私の所に大量の誹謗中傷のメッセージが寄せられるようになりました。

「首つって死ね」
「家族もまとめて心中しろ」

Eメール、ツイッターフェイスブックなど、ありとあらゆる電子通信手段を使ったこうしたメールは、多い時は1日に100通を超えました。私のみならず、私の家族や知人にまで、凄惨なメッセージが送り続けられました。
 
そして送り主のプロフィールを見ると、「共謀罪反対」 「反原発」 「九条の会」 「外国人参政権を推進する会」といった組織のメンバーか、その主張に賛同する人がほとんどでした。

あなたは5月の記者会見で、「共謀罪よりも強姦罪改正を優先して審議してほしい」と主張しました。私に大量の陰惨な誹謗中傷を送り付ける方々の多くも、「テロ等準備罪」を「共謀罪」と呼び、廃案を強く求めています。

これはまったくの偶然なのでしょうか?

 

権力によって「もみ消された」と主張するおかしな面々
結局、今回の出来事は、突き詰めれば「飲みすぎたあなたが、自分のしたことを忘れてしまった」というだけの極めてシンプルな、よくある些事でした。

もちろん、権力の不正や政治的主張とは全く無関係でした。
 
しかし「犯罪事実がなかった」という事実を認められないあなたが、「薬を盛られた」という妄想を起点として、犯罪をあったとするストーリーを創作し、自ら作り上げた虚構を信じ込んだために、「逮捕され起訴され有罪判決を受けるべき事案が権力にもみ消された」と主張するに至った。

そして、どういう思惑と連携があったかは知りませんが、複数の野党の国会議員や支援者があなたを支援し、私を罵倒し続けた。そして私に対する攻撃は、未だに続いています。
 
万が一、あなたの主張どおり、裁かれるべき犯罪が不透明な政治力によってもみ消されたり不問に付されたのであれば、それは大変な問題です。
 
しかも今回あなたは、まったく別個に機能した「警察」 「検察」 「検察審査会」のすべてが、それぞれに政治的に歪められたという、とんでもないことを主張しているのです。

非常に重要なことを主張するのですから、「上からの力を感じた」 「事件が消えてしまう」 「ブラックボックス」というような抽象的な、あるいは情緒的な表現でなく、具体的に問題点を指摘して下さい。
 
私を犯罪者に仕立て上げて刑事罰に処すというあなたの企てが最終的に失敗に終わってなお、不正があったと言うのであれば、「警察」 「検察」「検察審査会」それぞれについて、何が起きたのか。

それを具体的に示すのはあなたの責任です。


「勇気ある女性」ではなく、「偽りの女王」
あなたが「ブラックボックス」だと思っていることの多くは、あなたの脳内で起きた「ブラックアウト」というありふれた現象に過ぎない。そしてあなたの勘違いと思い込みが、行政と司法によって粛々と退けられただけのことです。

あなたの主張を背負って裁判を戦える検事などいないから不起訴となり、一般国民からなる検察審査会も、当然それを支持した。
 
一方、あなたは自分が間違っている可能性を知りながら、記者会見を開いた。この会見であなたは多くのものを得た。あなたの名前は世に知られるところとなり、「勇気ある女性」と称賛され、野党政治家や一定勢力からの支援も獲得した。
 
会見で得たものがもう1つ。あなたは大手出版社から単行本を出されたそうですね。

その本の宣伝文句に、
「この本を読んで、あなたも想像してほしい。いつ、どこで、私に起こったことが、あなたに、あるいはあなたの大切な人に降りかかってくるか、誰にも予測はできないのだ」とある。
 
私は、今後あなたと飲食するすべての男性に同じメッセージを送る。

全く事実と異なる主張でメディアとネットでリンチに遭い、社会的に深刻なダメージを負った私は、あなたが民事訴訟に打って出た以上、徹底的に闘う。

痴漢の冤罪被害のように、「性犯罪被害に遭いました」と偽りの記者会見をすれば大きな利得を得る社会は間違っていると考えるからです。
 
そして何より、性暴力の被害者ではないあなたが、自分でもそうではないと密かに知りながら、表向き性犯罪被害者を標榜して生きることは、本当の性犯罪被害者のみならず、他ならぬあなた自身を貶めることになる。

 

大変残念なことです。

 


著者略歴

山口敬之

https://hanada-plus.jp/articles/259

1966年、東京生まれ。フリージャーナリスト・アメリシンクタンク客員研究員。90年、慶應義塾大学経済学部卒、TBS入社。以来、25年間、報道局に所属する。報道カメラマン、臨時プノンペン支局、ロンドン支局、社会部を経て2000年から政治部。13年からワシントン支局長を務める。16年5月、TBSを退社。著書に『総理』(幻冬舎)など。


日本は「言霊」と「革命」に支配されている。それを超える情けある言論を。 言霊に縛られた考え方と革命的な思想を使わず、情けのある言葉を発して行きます。 言霊:言った言葉は現実となる。その現実が良くない場合、言った人が責任を問われるので、良い事ばかり言う方が良い。 運動会前に「明日は雨になりそうで傘は必要」と言う人が居て、雨が降ると「お前が言うから降った」と抗議され、「傘の心配までして雨を呼び寄せた」という信仰。 革命的な思想:現在の社会は間違ったものであり、正しい考え方の人間で社会運営してゆくべきという思想。 社会も永遠に近い時を経ている訳で全とっかえしたら大変な事です。 中国等に現出したこの世の地獄のような国家は酷いものです。 最近の風潮は堅苦しい正義を振りかざすような言論がまかり通っています。 物事の複合的な面を認められずに、悪い処を見つけたら人格否定、社会的抹殺をするやり方は革命的な思考、嗜好、志向だと思います。