ロバート・ストーン監督制作の『パンドラの約束』は、アメリカではCNNのプライムタイムに放映されるなど、注目を浴びております。日本での4月の上映が待たれますが、月刊『致知』1月号にインタビュー記事が掲載されておりますのでご紹介します。(「意見・判断」連載28)(添付ファイル)
「ラジオ・ビキニ」でデビューしたストーン監督は、反原発、環境保護を訴える作品を一貫して制作してきたのですが、なぜ今回、正反対の考えに転向した作品をつくったのでしょうか。
一番大きな影響を与えたのは、環境保護運動のパイオニアであり、アメリカでは知らない人がいないくらい伝説的な人物である、スチュアート・ブランウン氏が、原発支持に転向したことであるといいます。映画には、彼が登場してその考えを説明します。
核廃棄物問題についても、電力の80%を原発で賄っているフランスですが、発生した廃棄物は、1メートル四方で長さ10メートルほどの燃料棒となり、バスケットボールのコートくらいの広さの貯蔵所に収められているといいます。
フィンランドの大げさな廃棄物処理場をみて、「廃棄物の出口がない原発」という観念に短絡して取りつかれた小泉元首相ですが、是非この映画を見てこういう事実を知って戴きたいものです。それでも未だ誤った自説を変えないとしたら、知的誠実性、もしくは知的誠実性が問われます。
最も安全な原発ですから、普通の頭で考えれば、推進すべし、ということになるはずですが、「脱原発」などというバカ気た主張がまかり通っているというのは、異常としか言いようがありません。自分の眼で確かめに加え、自分の頭で考えることが大事ではないかと思います。
マス・コミが余り伝えていませんが、原発支持への転向は、世界的な流れの中で起こっていることでもあります。
国際的な科学者の組織「放射線の正確な知識のための科学者連合」(Scientists for Accurate Radiation Information)(SARI)が、我々の「放射線の正しい知識を普及する会」(Society for Radiation Information)(SRI)とほぼ期を同じくして結成されたのはその何よりの証です。
平成26年1月6日
「放射線の正しい知識を普及する会」事務局長 茂木弘道